失業保険について正しく理解出来ていますか?
不正受給とならないためにも、正しい知識を身につけたうえで失業保険の受給を受けるようにしましょう。
今般のコロナ禍の影響により失業者が増え、失業保険への関心が高まっています。
失業保険は、一定期間雇用保険に加入していた人が離職した場合などに受給できるものです。
しかし、違反行為に抵触しながら気づいていない場合もあり、その場合は不正受給とみなされ罰則やペナルティを課されることになります。
そこで今回は失業保険の不正受給についてお伝えします。
なお、受給資格や受給期間等については以前のコラムをご参照下さい。
働いたことを申告しなかったり、偽った申告をするなど、不正な行為により失業給付を受けようとした場合(現実に給付を受けたか否かは問われない)には、すべて不正受給となります。
不正受給をすると、もちろん残りの失業給付を受ける権利はすべて失うとともに、支給を受けた金額の全額返還と不正な行為により支給を受けた額の2倍に相当する金額の納付が命じられます(返還合計額は不正受給額の3倍)。
また、全額返還と納付が終わるまで、年利5%の延滞金が課されます。特に悪質な場合は刑事告発され、詐欺罪などにより処罰されることがあります。
次のようなことを申告しなかったり、偽った申告をしたときに不正となります。
1. 就職や就労したことを申告しなかった場合。(パート、アルバイト、日雇い、試用期間、研修期間を含む)
※収入が無くても申告が必要
2. 就職日を偽って申告した場合。
3. 内職や手伝いをしたこと。またその収入があったことを申告しなかった場合。
4. 自営業を始めたことを申告しなかった場合。
5. 会社の役員や顧問等に就任したことを申告しなかった場合。
6. 実際には行っていない求職活動を、失業認定申告書に実績として偽りの申告を行った場合 。
7. 定年後、積極的に就職しようとする気持ちやいつでも就職できる能力がなく、しばらく失業給付を受け、受給終了直後に年金を受給しようと考えている者が失業認定申告書に偽りの申告を行った場合。
8. 健康保険による傷病手当金や労災保険による休業補償給付などの支給を受けたこと。また、受けようとすることを申告しなかった場合。
9. 医師の証明書や求人者の証明書等を偽造したり不正に発行を受けて提出した場合。
不正受給の動機は、バレないだろうと不正をする場合と勘違いや知識不足の結果として不正をしていた場合とに分かれます。
よくある動機として
1. 見つからないだろう・・・
2. 短期間のアルバイトだから
3. ちょっとしたお手伝いをしただけだから
4. 自営業を始めたが開業届を提出していないからバレないと思った
上記以外にも様々な動機はありますが、軽い気持ちが不正受給の動機となっていることが多いようです。
なお、勘違いや知識不足による不正は未然に防ぐことができるので、判断に悩む場合はハローワークに相談するようにしましょう。
給付手続きを行い、受給資格が決定した日から通算して7日間の待期期間中はアルバイトができません。
※この取り扱いは自己都合退職の場合でも会社都合退職の場合でも同様です。
給付手続き前や待期期間経過後の給付制限期間中はアルバイトができます。
しかしアルバイトであっても、雇用保険加入条件を満たすと就職したとみなされ、失業給付の支給はされなくなります。
雇用保険の加入条件は、「1週間の所定労働時間が20時間以上の場合」および「31日以上の雇用が見込まれる場合」です。
また、失業給付受給中もアルバイトは出来ます。しかし、失業認定日に提出する失業認定申告書でアルバイトをしたということを申告しなければなりません。
失業給付受給中にアルバイト収入があると、失業給付の減額や支給の先送りをされるケースがありますので、アルバイトをする際は、ハローワークに相談したほうがいいでしょう。
失業保険について正しく理解している人はそう多くありません。 失業保険の不正受給とならないためにも正しい知識を身につけたうえで受給するようにしましょう。少しでも不安がある方はハローワークに相談するようにしましょう。