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創業融資専門家コラム

2021.01.13
【速報】事業再構築補助金の解説

 

菅政権のウィズコロナ時代に向けた肝入り政策として、2020年12月15日の臨時閣議で中小企業等再構築促進事業の予算編成が組まれました。
コロナの影響で事業再構築を余儀なくされた事業者の思い切った政策を力強く後押しする補助金です。
2021年に募集が予想される補助金ですので、まずはその内容をしっかり理解しましょう。

はじめに
対象となる事業者
中小企業の補助枠
中堅企業の補助枠
中小企業と中堅企業の定義
小売業の活用イメージ
製造業の活用イメージ
飲食業の活用イメージ
補助対象経費の例
おわりに

はじめに     

政府は2020年12月15日の臨時閣議で1兆1,485億円にも上る中小企業等再構築促進事業に関する追加経済対策予算を閣議決定しました。
これにより2021年に募集が予想される「事業再構築補助金」について解説します。  

新型コロナウイルス感染症の影響の長期化が想定される中、早期の需要や売り上げの回復は期待しがたい状況にあります。
新型コロナウイルスの影響により既存のままの形態や仕組みでは事業が立ちいかず、新規事業分野への進出、業態や業種の転換、事業再編による早急な事業の立て直しが迫られる事業者が増えています。
そのような企業の思い切った挑戦となる新たな事業再構築等の取り組みを後押しする新たな補助金として、今回閣議決定されたのが「事業再構築補助金」です。
その予算規模大きさからも非常に注目度の高い補助金となっています。

 

対象となる事業者

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者で、新規事業分野への進出、業態や業種の転換、事業再編等を行い、これらの取り組みを通じて規模の拡大等を目指す企業や団体等で、以下の要件の全てを満たすもの

1,申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業者等。

2,事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業者等。

3,補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

 

中小企業の補助枠

1,通常枠   補助額 100万円~6,000万円   補助率 2/3

2,卒業枠※  補助額 6,000万円超~1億円   補助率 2/3

※卒業枠とは、事業計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠を言います。

 

中堅企業の補助枠

1,通常枠  補助額 100万円~8,000万円   補助率 1/2(4,000万円超は1/3)

2,グローバルV字回復枠※   補助額 8,000万円超~1億円   補助率 1/2

※グローバルV字回復枠とは、以下の要件のすべてを満たす中堅企業向けの特別枠を言います。
①直近6か月間のうち任意の3か月間の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業。

②補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。

③グローバル展開を果たす事業であること。

 

中小企業と中堅企業の定義

1,中小企業とは、以下のものを指します。

・製造業 資本金等の額が3億円以下 または 従業員数300人以下

・卸売業 資本金等の額が1億円以下 または 従業員数100人以下

・小売業 資本金等の額が5千万円以下 または 従業員数50人以下

・サービス業 資本金等の額5千万円以下 または 従業員数100人以下

2,中堅企業とは、資本金等の金額が、上記1に掲げるそれぞれの資本金等の金額を超えて10億円以下のものを言います。

 

小売業の活用イメージ

衣服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で客足が減り売り上げが減少したため、店舗での営業規模を縮小し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換し、以下のような補助経費が発生した。

・店舗縮小にかかる店舗改修の費用

・新規オンラインサービス導入にかかるシステム構築の費用など

 

製造業の活用イメージ

【航空機部品を製造していたところ、コロナの影響で需要が減少したため、当該事業の圧縮・関連設備の廃棄等を行い、ロボット関連部品・医療機器部品製造の事業を新規に立ち上げ、以下のような補助経費が発生した。

・事業圧縮にかかる設備撤去の費用

・新規事業に従事する従業員への教育のための研修費用など

 

飲食業の活用イメージ

レストラン経営をしていたところ、コロナの影響で客足が減り売り上げが減少したため、店舗での営業を廃止し、宅配や持ち帰りの需要に対応するため、オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、以下のような補助経費が発生した。

・店舗縮小にかかる建物改修の費用

・新規サービスにかかる機器導入費用や広告宣伝のための費用など

 

補助対象経費の例

建物費、建物改修費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等が補助経費に含まれます。

注)補助対象企業の従業員の人件費及び従業員の旅費は補助対象外です。

 

おわりに

事業再構築補助金については、現段階では募集開始日や対象業種等については未定ですが、これから詳細な情報が公表されていくものと思われます。
この補助金は大幅な予算枠で閣議決定されたもので、コロナの影響に苦しむ事業者の本気の変革を応援する補助金として、企業の事業再構築を力強く後押ししてくれるものです。コロナの影響が長期化する中、現状を打破するアイデアをお持ちの方は是非挑戦してみましょう。

 

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