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創業融資専門家コラム

2019.08.21: 創業予定地と創業融資の申請

創業予定地が決まっていないと創業融資は受けられない？！
創業予定地の重要性とは？！

はじめに

創業予定地が決まっていないと創業融資申請ができない！？

創業予定地の契約はいつすればいいの？

創業予定地の選択が事業成功のカギを握っている！

おわりに

はじめに　　　　　

新たに事業を始めるとき、独立するとき、何の事業をするかは決まっていても、どこでその事業をするかはすぐに決まらなかったりします。

日本政策金融公庫の創業融資のご相談に来られる方の中にも、だいたいの希望エリアはあっても、不動産屋を回っている最中でまだ確定していないというケースが多くあります。

創業融資の申請をする際にも創業予定地というのはとても重要なポイントとなります。

今回は、創業予定地がいかに重要かをお伝えしたいと思います。

創業予定地が決まっていないと創業融資申請ができない！？

結論から申し上げますと、日本政策金融公庫の創業融資を申請する際には、業種だけでなく、創業予定地も決まっている必要があります。

何をするかが決まっていれば借りられるんじゃないの？と思われる方もいらっしゃると思いますが、どこでその事業を行うかによって、売上金額が変わったり、賃貸物件であれば保証金や家賃などに影響することとなり、開業後の売上計画やコストの計画が大きく変わってきてしまうからです。

具体的には、飲食店や店舗販売の小売業であれば、どのエリアに出店するかにより競合店が変わったり、人の流れが全く異なるため、売上見込がずいぶん変わってきます。

創業予定地を購入する場合も借りる場合も、場所によって購入相場や家賃相場が大きく異なりますし、広さによって売上見込額や光熱費負担も変わってきます。

創業融資の申請をする際には、売上や経費の計画も立てることになるので、そもそも創業予定地が決まっていないと計画が立てられないということとなり申請書類が作成できないのです。

創業予定地の契約はいつすればいいの？

では、不動産屋とある程度話が進んでいつ契約するかという段階まで来た時に、創業融資の申請のタイミングと物件の契約のタイミングはどうすればよいのかというご質問を多く受けます。

早く契約してしまうとすぐに家賃が発生してしまったり、契約時に保証金等の高額な初期費用負担が生じてしまいます。上述のとおり、創業融資の申請のタイミングで物件が決まっている必要がありますが、必ずしも本契約が必要なわけではありません。

融資金がないと保証金等の初期費用負担が厳しい方もいらっしゃいますので、不動産屋との相談にもなりますが、仮契約という形でも大丈夫です。 創業融資の決定を条件に本契約にしていただき、初期費用をお支払いするという形です。

創業融資のご相談に来られた方の中には、申請準備を進めている中で、物件の候補は上がるものの他の方に決まってしまったりして何度か創業予定地が変更になった方もいらっしゃいます。

不動産屋によって対応はまちまちですが、創業融資の申請をするタイミングで、仮契約が結べているように話を進めましょう。創業予定の物件を購入される場合で、その購入資金の融資を希望される際にも、融資が決定していないのに本契約するのはリスクがありますので、融資が決定したら本契約に移行する形の仮契約ができるかどうか交渉してみることをお勧めします。

創業予定地の選択が事業成功のカギを握っている！

業種にもよりますが、創業予定地をどこにするかによって事業を成功させるための戦略やターゲットも変わってきます。

どこで開業するかがあまり売上に影響しない業種であれば、採算がとれる家賃の中で物件を選ぶことが重要になります。創業予定地を選ぶ際には、この場所ならどういう商品やサービスがマッチしているかや近隣に競合店がないかなど、実際に事業を始めてから調査不足だったなと思うことがないように、しっかり下調べと検討を重ねましょう。

いったん契約をしたら不動産を購入する場合は購入資金が、不動産を借りる場合は初期費用や改装費用等の大きなお金が動きます。大きな金額が動く以上、そう簡単に創業予定地を変更するというわけにはいきません。

どれだけの売上が見込めるか、その物件の家賃や諸経費を負担しても採算がとれるかを十分検討して創業予定地を選ぶことが事業を成功させるための重要ポイントです。