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創業融資専門家コラム

2020.09.25
【重要】小規模事業者持続化補助金の審査基準!!

 

小規模事業者持続化補助金の採択に関してはもちろん審査があり、その審査基準を理解することによって応募書類となる経営計画書等に盛り込むべきポイントについても意識が高まることとなります。的を射た経営計画書等を作成するためにも審査基準を理解しておきましょう。

はじめに
小規模事業者持続化補助金の審査基準
基礎審査
二つの制度で共通する加点審査
「一般型」にしかない加点項目
「コロナ特別対応型」にしかない加点項目
おわりに

はじめに     

小規模事業者持続化補助金の応募にあたっては経営計画書や補助事業計画書の作成が非常に重要です。
どのような視点で採択のための審査が行われるかを踏まえたうえでこれらの計画書を作成出来るかは採択の可能性に大きく影響を及ぼすものと思われます。
また採択の可能性を上げるためには制度上どのような加点があるかも認識しておく必要があるでしょう。
今回のコラムでは、採択に影響する審査基準についてお伝えします。

 

小規模事業者持続化補助金の審査基準

小規模事業者持続化補助金の制度の内容については以前のコラムでお伝えしました。
そのコラムの中で、現在の小規模事業者持続化補助金の制度は、「一般型」と「コロナ特別対応型」の二つの制度が共存していて、それぞれの制度で補助事業の対象や補助限度額が異なることをお伝えしました。
同様に審査基準についても「一般型」と「コロナ特別対応型」の制度では異なっています。
正確には、同じ部分とそれぞれの制度にしかない加点項目に分かれるのです。以下で説明します。

 

基礎審査

小規模事業者持続化補助金の審査基準は、基礎審査と加点審査の二つの審査に大きく分かれます。
このうち基礎審査は、「一般型」と「コロナ特別対応型」の二つの制度に共通です。
基礎審査は以下の四つの要件を全て満たしていることが条件であるため、満たしていなければその時点で失格となりその後の審査は行われません。

基礎審査要件

①必要な提出資料が全て提出されていること

②補助対象者・補助対象事業の要件に合致すること

③補助事業を遂行するために必要な能力を有すること

④小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組であること

 

二つの制度で共通する加点審査

次に加点審査について説明しますが、加点審査では、提出された経営計画書や補助事業計画書について加点方式で審査が行われ、総合的に評点が高いものから順に採択が行われることになります。
加点審査については、「一般型」と「コロナ特別対応型」で共通の加点項目とそれぞれの制度にしかない加点項目とに分かれますが、まずは二つの制度で共通する加点項目から説明します。

①自社の経営状況分析の妥当性

自社の製品・サービスや自社の強みが適切に把握できているかが加点の対象となります。自社の強みは何なのか?意外と正確に把握できていないものですので、じっくり思案し自社の商品やサービスや体制を見直すいい機会にしてみてはいかがでしょうか。

②経営方針・目標と今後のプランの適切性

経営方針・目標や今後の事業計画が、上記の「強み」を反映したものとなっているかや対象とする市場の特性を踏まえたものとなっているかが加点の対象となります。

③補助事業計画の有効性

作成した補助事業計画書が以下の四つの要件を満たしているかが加点の対象となります。

・実現可能な計画になっているか?

・今後の方針や目標を達成するために必要かつ有効なものか?

・小規模事業者ならではの創意工夫の特徴はあるか?

・ITを有効に活用する取り組みになっているか?

④積算の透明・適切性

事業費の計上、積算が正確・明確であり、その事業費が事業実施に本当に必要なものであるかが加点の対象となります。

 

「一般型」にしかない加点項目

加点審査で、「一般型」、「コロナ特別対応型」それぞれの制度にしかない加点項目を次に説明しますが、まずは「一般型」にしかない加点項目を説明します。
以下の要件を満たした場合、「一般型」では加点となります。

①次のいずれかの賃上げを計画し、その旨を従業員に表明していることが加点の対象となります。

・補助事業完了後の1年間において給与支給総額を1年で1.5%以上増加させる計画(被用者保険の適用拡大の対象となる小規模事業者が制度改革に先立ち任意適用を受けている場合は、1年で1%以上増加させる計画)

・補助事業完了から1年後までに、事業所内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くする計画

②代表者が満60歳以上の事業者であって、後継候補者が中心となって補助事業を行う場合に加点の対象となります。

③経営力向上計画の認定を官公庁から受けていることが加点の対象となります。経営力向上計画の認定をご存じない方も多いかもしれませんが、認定を受けると税制や借入等に関し優遇が受けられるもので、認定申請にそれほど多くの手間を要するものではないのでこれを機会に認定を検討されるのも一考ではないでしょうか?
詳しくは、以下をご参照ください。
https://www.kansai.meti.go.jp/keieiryokukoujyou.html

④経済産業省が選定する地域未来牽引企業として「目標」を策定していること、又は、地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画の承認を受けている事業者は加点の対象となります。小規模事業者でこれらの要件を満たす事業者は少ないと思われますが、満たせば有利となるでしょう。

令和2年9月25日現在の地域未来牽引企業一覧については以下をご参照ください。
https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/kigyo/chiikimirai_map.pdf

地域未来投資促進法については以下をご参照ください。
https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiikimiraitoushi.html

⑤過疎地域という極めて厳しい経営環境の中で販路開拓等の活動を通じて地域経済の発展につながる取り組みを行う事業者が加点の対象となります。

過疎地域市町村等一覧については以下をご参照ください。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000491490.pdf

 

「コロナ特別対応型」にしかない加点項目

加点審査で、「一般型」、「コロナ特別対応型」それぞれの制度にしかない加点項目の説明の続きとなりますが、「コロナ特別対応型」にしかない加点項目を説明します。経営計画書に記載した計画が以下の要件を満たしている場合、「コロナ特別対応型」では加点となります。

①新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越えるための取り組みとして適切な取り組みとなっているか

②「サプライチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビジネスモデルへの転換」、「テレワーク環境の整備」のいずれか一つ以上の取り組みを行い、補助対象経費の1/6以上の投資を行う事業計画になっているか

 

おわりに

小規模事業者持続化補助金の審査基準は、新型コロナウイルスの影響で小規模事業者持続化補助金の制度が「一般型」と「コロナ特別対応型」の二つの制度に分かれることに伴って審査基準も自ずと二つに分かれることになりました。
どちらの制度の採択を目指すかによって道は大きく分かれますが、どういった施策に加点されるかといった加点制度自体の理解と、これら二つの制度に共通する加点ポイントと個別の加点ポイントを十分理解したうえで経営計画書等を作成することが非常に重要でしょう。是非参考にしてみて下さい。

 

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