日本政策金融公庫総合研究所では、新規開業企業の実態を把握するため、毎年「新規開業実態調査」が実施されています。
日本政策金融公庫国民生活事業が2017年4月から同年9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内の企業を対象に2018年7月に調査を行い、回答のあった1,746社(個人企業60.4% 法人企業39.6%(開業時))の回答を集計した結果、次のようなデータが公表されています。
開業時の平均年齢は2013年度以降6年連続上昇し、43.3歳となっており、年代別では、40歳代が最も多く、次いで30歳代となっています。
開業者に占める女性の割合は上昇傾向にありますが、2018年度は19.9%です。まだまだ女性の開業割合は少ないですが、日本政策金融公庫の融資の中には、女性や若者、シニアの起業家を支援する融資もあります。
開業費用の分布によると、「500万円未満」の割合が37.4%と最も高く、次いで「500万~1,000万円未満」が31.0%を占めており、「1,000万円以上」の割合は、4年連続で減少しています。開業費用は少額化の傾向にあるようです。
開業時の資金調達額は平均で1,282万円で、調査開始以来最も少なくなったようです。
資金の調達先は、「金融機関等からの借入」が平均859万円、「自己資金」が平均292万円でした。
平均調達額に占める割合では、金融機関等からの借入が67.0%で、自己資金が22.8%、配偶者や親、兄弟などの親戚からの借入が5.5%となっています。
やはり、開業時には借入と自己資金の準備が重要となってきます。
開業時に苦労したことの上位は、「顧客・販路の開拓」(49.1%)、「資金繰り、資金調達」(43.9%)となっています。
現在苦労していることをみても、この二つの回答は割合が高くなっています。
開業前の準備段階からしっかりこの2点に向き合っておくことがいかに大切かということが調査結果からも見えてきます。