創業資金のお悩み無料相談受付中!

創業融資専門家コラム

2019.07.08
【永久保存版】個人事業主のままで大丈夫?法人化のメリット&デメリット

個人で事業をされている方がどの段階で法人化を考えるべきか?!を、

個人事業と法人のそれぞれのメリット、デメリットを検証しながら考察します

はじめに
法人形態のメリット1 信用力
法人形態のメリット2 給与所得控除
法人形態のメリット3 退職金
法人形態のメリット4 消費税の免税
税率の比較
法人形態のデメリット1 社会保険への加入
法人形態のデメリット2 事業資金の使用
法人形態のデメリット3 均等割り及び事務の複雑化
まとめ

 

はじめに     

 個人で事業をされている方が事業が軌道に乗り毎期の所得が伸びてくるとるべきかどの段階で法人成りを考えるべきかを悩まれるケースは非常に多いのではないでしょうか?また、これから創業しようと考えている方が個人の形態で創業すべきか法人で創業すべきかと悩まれることも多いと思われます。確かに個人の形態と法人の形態とではそれぞれにメリットとデメリットが存在します。そこで今回のコラムではそれぞれのメリットとデメリットについて記述するとともに法人成りを考えるべきポイントに触れていきたいと思います。  

 

法人形態のメリット1 信用力

 まずは信用力の違いが大きいかと思われます。法人の方が対外的に信用力が高く、得意先に対しても金融機関に対してもその信用力の違いは体感するところです。最近個人事業から法人に移行されたお客様がありましたが、ゼネコンの下請けをされている建設会社のお客様でその移行の理由が、「会社の方針で今後の取引については個人事業のままでは仕事を出せない」と言われたのが理由でした。他の業種においてもそのようなケースが今後増えてくるように思われます。

 

法人形態のメリット2 給与所得控除

 税金計算上のメリットとなりますが、個人事業者が法人成りをすると、法人は代表者に役員報酬を出すことができます。表者が受け取る役員報酬には税金計算上、給与所得控除という一定の控除が認められています。

 給与所得控除とはサラリーマン等を含む給与所得者全員に認められる経費相当額として、対象者の年間の給与総額を下記の表に当てはめて計算するものです。 個人事業者本人の申告は事業所得となりますので事業の利益がそのままご本人の所得となり、ご本人に給与を出すという考え方が存在しません。従いまして、ご本人に給与を出すことが出来ないので個人事業のままでは給与所得控除のメリットを受けることは出来ず、法人成りによって役員報酬を受給することにより初めて給与所得控除による税制上のメリットを受けることができるようになります。

 

給与等の収入金額 給与所得控除額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

 

法人形態のメリット3 退職金

 個人事業者は基本的に退職金がありません。基本的にと記述したのは、小規模企業共済という共済に加入することにより、将来的にその受給額を税務上退職金として扱うことが可能だからです。

 しかし個人事業から直接事業主に退職金を支給することは出来ません。一方、法人は役員に対して退職金を支給することが出来ます。支給額については税務上の限度額のルールもあるのですが、利益が多く上がっている会社を前提とすると一般的に退職金は非常に高額となることから法人にとっては大きな経費を作ることが出来ます。

 また、この大きい金額の退職金を計上することにより法人が赤字となれば法人の株価を下げる効果があり、事業承継や株式移転のタイミングで退職金を支給することにより株式の移転に伴う税負担を下げ、移転をしやすくすることもメリットとなります。

 

法人形態のメリット4 消費税の免税

 これはご存じの方も多いかもしれませんが、個人事業から法人に移行されてから最大2年間は消費税を納める必要がありません。これはなにも法人にのみ認められるものではなく個人事業も同様ですので、これから事業を始められる方は個人でも法人でもいずれで始めてもこの免税期間はあります。

 個人から法人へ移行される場合、個人で事業を始められた際に消費税の免税を受けておられますが、法人に移行される場合この移行時に再度この免税を受けることができます。ただしこの消費税が免税となるためには、資本金を1千万円未満にしておく必要がある等々の消費税法上の要件が複雑に影響しますのでご注意が必要です。

 

税率の比較

 資本金1億円以下の普通法人の実効税率は、所得金額が400万円以下の場合は21.42%、所得金額が400万円超~800万円以下の場合は23.2%、所得金額が800万円超の場合は33.59%でこれ以上所得が伸びたとしても税負担の割合が増えることはありません。  

 これに対して個人の場合の所得税については所得が高くなればなるほど適用される税率が高くなります。所得が195万円以下の所得に対しては所得税と住民税を合わせて15%の税率が適用されます。所得が195万円を超え330万円以下の部分については20%(所得税+住民税)、所得が330万円を超え695万円以下の部分については30%(所得税∔住民税)、695万円を超え900万円以下の部分については33%(所得税+住民税)、900万円を超え1,800万円以下の部分については43%(所得税+住民税)、その後所得税と住民税を合わせた税率は55%まで累進的に高まっていきます。

 その意味で法人税と所得税の税負担は、所得が高くになるにつれて逆転現象を起こし、所得が少なければ所得税の税負担が法人よりも少なく、所得が高くなると個人の所得税が法人税の税負担を超えていくことになります。 法人と個人とでは課税の構造が異なるので同一基準での比較が難しいところではあるのですが、単純に所得税と法人税の税負担だけを考えると、おおよそ500万円の所得で個人の税負担が法人の税負担を超えていきます。

 

法人形態のデメリット1 社会保険への加入

 個人事業の場合は、常時使用する従業員数が5人以下であれば社会保険に加入する必要がありませんが、法人であればたとえ従業員を雇用していなくても常勤役員の役員報酬の支給が一人でもあれば社会保険の加入が強制されます。社会保険料の半額は原則として法人負担となりますので法人の負担が増えることとなります。現在の社会保険料の料率は過去からどんどん上がってきた経緯がありますので負担が非常に大きくなってるのが現状で、個人事業主が法人成りを悩まれている段階でなかなか決断できない障壁になっていることは否めません。 

 

法人形態のデメリット2 事業資金の使用

 個人事業の場合は事業主が私的に事業資金を使っても個人に対する貸付とはなりませんし返済義務も発生しません。しかし法人形態で役員が法人の資金を私的に使用した場合にはその資金はその役員に対する貸付けとなります。この貸付けは当然返済義務がありますし、なおかつ法人はその貸付けに対して利息を取らなければなりません。そしてこのような役員への貸付けが大きくなってくると金融機関からの借入が難しくなってきます。役員貸し付けが増えるということは、事業資金として金融機関が貸したお金までその役員の使用に回っている可能性も否めないからです。役員貸付けの増加は各決算期に金融機関が非常に注意深く見てくるポイントとなります。

 

法人形態のデメリット3 均等割り及び事務の複雑化

 個人事業の場合は事業が赤字の場合には所得税の負担はありません。しかし法人の場合は事業が赤字であったとしても均等割りといわれる地方税の税負担が最低でも7万円必要となります。 また、法人形態の場合は個人事業と比べてかなり事務も複雑となります。個人の確定申告であまり事業規模も大きくない場合はご自身で確定申告をされている方も多いように思われます。しかし法人の場合は事業規模が余り大きくなくても決算作業や税務申告の作成が煩雑なことから税理士等の専門家に頼らなければならずその分費用の負担も大きくなります。

 

まとめ

 以上法人成りのメリットとデメリットを紹介させて頂きました。

 冒頭で紹介させて頂いた、元請け会社から法人成りを求められているような信用力を高める必要があるケースの場合に法人成りを決断することはやむを得ませんが、どの段階で法人成りを決断すべきかは非常に悩ましいところです。メリット、デメリットについては前述の通りですが、税率の比較で紹介させて頂いたように単純に税金の負担だけを考えると個人事業者の所得が500万円を超えるくらいから法人成りを考えていくべきとも言えます。

 しかし、「法人形態のデメリット」で紹介させて頂いたように個人事業で社会保険に加入していなかった事業者は法人成りにより社会保険への加入が強制されます。近年では社会保険料の負担が非常に高くなっておりますので従業員本人と同額以上の負担を会社が強いられることを考慮すると法人成りによる負担増はかなり多いものとなります。また事務負担の増加も避けられるものではありません。その意味では法人成りの有利不利は単純に税負担だけの軽重で測れるものではありませんが、所得ベースでの一定の法人成りを考えるべき基準を提示するならば、個人の事業所得が継続して800万円~1,000万円まで増加してきた場合に考えていくべきこととなるでしょう。この移行の優劣については様々な諸条件が複雑に絡みますので必ず専門家にご相談ください。

 

京都 創業融資・創業支援フルサポートでは、日々多くの融資に関するご相談をいただく上で、法人成りのご相談はもちろん、ご相談者様の開業成功に向けて適切なアドバイス・融資実行サポートを実施させていただきます。

初回相談は無料ですので、お気軽にお問合せ下さい。

 

無料相談受付中!

0120-316-118

受付時間 8:30~17:30

創業期の資金調達サポートのご紹介
  • 創業融資無料診断
  • 日本政策金融公庫融資サポート
  • 創業時の融資獲得支援
  • 補助金をご検討の方へ
  • 助成金をご検討の方へ
  • 事業計画書の作成支援
創業支援サービスのご紹介
  • 株式会社設立のご支援
  • 合同会社設立のご支援
  • 決算・法人税申告のご支援
  • 法人化シミュレーションのご支援
  • 許認可申請代行のご支援
  • 記帳代行のご支援
  • 税務調査対応
  • 税務・財務顧問
当事務所サービス一覧
  • 資金調達の前に知っておくべきポイント
  • 「創業支援のプロ」が書くコラム
  • HPコンテンツ一覧
事務所情報
新着情報
PAGETOP